3月18日に開催された世界開発協力機構主催「世界の医療と、国際政治」サミットで、グローバルヘルスは本当に重要な案件だったというのを参加して気付きました。
少し、学習して臨んだつもりだったんですけど、よくわかってなかったですね。また、思った以上に広い範囲と連動していて、すぐに理解できないお話もいくつもありました。世界の重要問題であり、かつとても身近な問題でもあるので、これから問題意識を持っていこうと思いました。
深見東州さんの関わるサミットは、いつも何らかの刺激を与えてくれますね。

このサミットの参加者の一人、ティム・ランケスター卿は、今回の話の内容を、英国政府にも伝えるとを言われてました。「非常に有意義なサミットであり、5月のG7首脳会議でもグローバルヘルスに関する問題が議題に上ると思われるが、半田晴久博士のおかげで、この議論を首脳の討議に反映させ、その結論に影響を与える機会を得た」と言われていました。
お話は多岐にわたったので、メモをとる手も追いつかず、少ししか記憶に残っていませんが、エボラ出血熱がなぜあんなに大流行したのかなど、興味深く聴きました。簡単に言うと、医者の数が全く足りないから、どんどん広がったようですね。あとWHOの対応の遅れについても言及があったと思います。
ある地域では、そこの有名な呪い師が感染して死んでしまったので、その遺体を風習として水で洗い、それに皆が抱擁したのだそうです。それで全員感染したとか。だから、文化的な風習や宗教も絡んできて、厄介なことになっていたんでしょう。感染症に関する知識もないでしょうから、そこも大きな課題でしょうね。
あと、管理がしっかりなされてなく、次々と医療に関わる人にも感染してしまったそうです。そういう話を聞くと、日本では考えられないことですが、開発途上国の中には、まだまだそういう地域が多くあるそうです。
そして、その国の政府も感染症発生の疑いがあっても、それを認めたがらないそうです。観光客が激減してしまうので、発表には慎重なようです。
そこで国連から派遣された人たちが、正しく報告を上げなければいけないのですが、どうもそのあたりに問題があって、うまく機能してなかったようですね。なので、兆候はあったのに、防ぐことができなかったようです。
また、別な感染症でも言われてましたが、官僚的な動きになってしまって、初動が遅く、結果として多くの人が亡くなってしまうことも指摘されていました。もっと早く動けば、もっと多くの人が助かるはずだったのでしょう。
ピオット博士も、その点を憂慮されているようです。国連のWHOの改革が必要なのかもしれませんね。そういう点なども、今度のG7の討論の対象になってくるのかもしれません。
今回のサミットでは、いろいろな方が本音でトークされるので、実際の世界情勢に関することでも、驚くような話も聞きました。ここで書いていいのかわかりませんので、あえて書きませんが、医療や保険に関することでは、現在はWHOだけではなくいろいろな機関が動いていて、有力な民間もたくさん進出してきてどこがこの問題をリードしていくのかが、混沌としている状況があるようです。
世界の医療環境は、良くなってきているようでいて、多くの問題があるんだなと思います。映画やドラマなどにもよく登場する、アメリカ疾病管理予防センター(CDC)の話も出ていました。ここから勧告される文書は、非常に多くの文献やデータの収集結果を元に作成、発表されるため、世界共通ルール(グローバルスタンダード)とみなされるほどの影響力を持ち、危険なウイルスへの対策については、世界中がここに依存しているほどの組織だそうです。

本当はアメリカ国民の国益を守るために作られたようですが、感染症が発生したらどこにでも出て行き、対策を主導する役割を果たしているそうです。結果的に、それで世界が助かっているので素晴らしいと思いますが、そういうものを日本も持つべきではと言う議論もありました。
ただ、そのようなものをやるには、日本の場合は自衛隊との連動が必要で、これからの取り組みになってくるそうです。そういうものができると、世界の医療分野においても、日本がリードしていくことができるのかもしれませんね。アメリカは、もうWHOにはあまり頼ってないようです。
いろいろ興味深いお話が満載でしたけど、感じたことは、単に医療の分野だけを理解していても解決できない問題が多いことでした。軍事や国際政治、経済問題、社会や文化など、幅広い知識があり理解している人でないと、これからのグローバルヘルスに関する問題をリードし、解決することはできないと思いました。ここでも、深見東州さんの知識と、解決に向けての提言のまとめなどの手腕が光っていたと思います。
書き忘れていましたけど、今回の主役となる予定だったピーター・ピオット博士は、身内の方の不幸により参加が叶いませんでした。それでも、それをカバーしてあまりある有意義なサミットになったことを付記しておきたいと思います。
深見東州さんは世界開発協力機構を通じて、ロンドン大学衛生熱帯医学大学院に対し、グローバルヘルスに関する講座を2015年から支援され、ハンダ国際保健講座と名付けられたその講座の教授をピーター・ピオット博士が勤めていることも知りました。

P.S.上記の画像は、その後4月16日の毎日新聞に掲載された、サミットに関する広告記事になります。わかりやすくまとまっていて、参考になると思いますので下記にその文字起こしをしました。なを、5月22日にCSでこのサミットの議論が放送されたそうです。
毎日新聞2016年4月16日に掲載されたサミットの記事を引用
「世界の医療と、国際政治」サミット開催 国際社会が手を携え、グローバルヘルスの進展へ
特定非営利活動法人「世界開発協力機構 (WSD)」(総裁=半田晴久氏、 後援 : 外務省、厚生労働省、毎日新聞社 ほか) が主催する「世界の医療と、国際政治」サミットが、 3月18日、東京・六本木のグランドハイアット東京で開催された。医療界の国際的なスターであるピーター・ピオット博士をはじめ、国内外の要人・知識人を壇上に迎え、会場は1500人以上の超満員となった。また今回は前日のコンサート、翌日から開催された「バースデー書画展」と併せ、「深見東州のバースディフェスティバル第2弾」として行われ、当日65歳の誕生日を迎えた半田総裁は、司会兼モデ レーターとしてエネルギッシュに議論をリードした。
世界各国の要人が集結
グローバル化が進み、世界中の国・地域が複雑に関連し合っているなか、医療・保健 においても世界視点で科学的に考える「グローバルヘルス」の考え方が重要になっている。国連安全保障理事会から世界経済フォーラムまで、 さまざまな重要国際会合で取りあげられるなどまさにホットな分野だけに、開幕早々に熱気あふれる雰囲気だ。
第一部の「開幕セッショ ン」では、冒頭で半田総裁がサミットの趣旨を説明。「民間のシンポジウムとして一般の方に『グローバルヘルス』を知っていただく機会を作る」「世界の人と友達になりネットワークを作って協力し合う」「政府要人も出席するので、直接提言できる」という3点を挙げた。
続いては、高村正彦氏と武見敬三氏が開会のあいさつ。 高村氏は今年の伊勢志摩サミットにおいて保健分野が 重要課題のひとつであることを指摘し、「いまグローバルヘルスをテーマにした会議の開催は時宜を得たもの」と評価。武見氏も「先進的な研究をしている方々が列席し議論する絶好の機会」と、開催への喜びを 語った。
基調講演は、ロンドン大学衛生熱帯医学大学院学長であり、野口英世アフリカ賞 (医学研究部 門) 受賞者のピー ター・ピオット男爵 ・教授 (ベルギー) だ。実父の急逝より来日できず、ビデオでの講演となったが、世界の第一人者として包括的な議論を展開した。ピオット教授によると「グ ローバルヘルスは2000年前後に”人間の安全保障”という考えに基づいて生まれた概念。地域で行われる医療も、グ ローバル化に伴い、エイズやエボラ出血 熱といった遠隔地の流行病や技術革新に大きな影響を受けるようになっている」。いわば国際政治の一大テーマだが、2000年以降は感染症や乳幼児死亡率などに改善傾向がみられ「新たな病原菌やウイルスが出てきても用意があれば大々的な流行は避けられる」と教授は力説した。
次いで、前外務副大臣の城内実氏が、 国際政治の観点から近年のグローバルヘルスの潮流について解説。 国際社会が優先的に扱うべき問題として、「国際的な持続可能な開発目標である『SDGs』に盛り込まれた多様な保健課題への対応」「(エボラ出血熱に代表される) 公衆衛生危機に対する対応力の強化」を挙 げた。一方で途上国に蔓延する感染症など、民間の研究では採算が取れない分野も多いことから「官民連携を通じた研究開発の促進において、 G7が大きな役割を果たすことを期待します」と述べた。
感染症との戦いは新たな時代へ
第二部は「21世紀のグローバルヘルス 課題と専門家らによる挑戦」と題したパネルディスカッションだ。
冒頭で基調講演を行ったのは、東京都知事の舛添要一 氏。自宅で飼う金魚の病気という身近な話題や、厚生労働大臣時代の新型インフルエンザ対策を入り口に、感染症との「人類が生き残るための戦い」を熱く語った。「地球規模の気候変動のなか、新しい感染症にも対応しなければ。 危機管理のためには、徹底した 情報公開と、現場第一主義だ」と力を込め、メディアの協力も求めた。
さらに舛添氏は2020年に控えた東京オリンピック・ パラリンピックに向けて「大成功させ最高の大会にした い」と語り、感染症、(訪日外国人を含めた)医療、防災など多彩な取り組みを紹介。 医療・創薬研究の新拠点「グ ローバルライフサイエンスセ ンター」の設置計画を明かすなど、会場から拍手を浴びるシーンも。最後は「治療よりも予防が大事。日ごろから運動を心掛けて健康に長生きを 」と呼びかけた。
続いてはピオット氏はじめ各氏の講演を受け、各国からのパネラーによる熱い討論だ。ロンドン大学のサイモ ン・クロフト氏 (英国) は、 マラリアや結核、寄生虫などへの過去15年の対策を振り返り、その進展を評価するとともに「有効な新薬や抗生物質も乱用されることで耐性菌が現れている。今後は失敗からも学び、持続可能性を求めよう」と提言した。
日米の事情に精通するスリングスビーB・T氏 (米国) は「伝染病対策は終わりがないものだ。一企業だけでは赤 字分野は継続できないため、 政府、財団などが支援して、 技術革新への投資が必要」と指摘した。
シン・ホゥイ・チャン氏 (シンガポール) は感染症の専門家として「天然痘を撲滅に追い込み、はしか、百日ぜ き、小児まひなどで苦しむ子どもたちを減らしたワクチン接種をこれからも続けてほしい」。一方で、感染源を絶つことの重要性も指摘した。
また大学で教える傍ら、感染症の治療現場にも立つゲーリンダ・ルーカス氏 (フィリ ピン) は別の視点から、全世界で毎年150万人が交通事故で死亡していることを指摘。「エボラ出血熱と同じように、早期に対策を講じないと、取り返しが付かないことになる」と危惧を語った。
一人ひとりの力を結集して
第三部はパネルディスカッション「G7の21世紀のグ ローバルヘルス推進における 「リーダーシップ」。ここで改めて壇上に立った武見氏が、 G7でも重要な議題と目されるグローバルヘルスと”人間の安全保障” について基調講演した。
“人間の安全保障” とは、 すべての人が尊厳を持って生きるために、多様な選択肢を保障するさまざまな施策の総体。そこにおいて、健康は 「一人ひとりが教育や仕事上の機会をつかみ、有意義な生き方の実現を図るための基盤」と武見氏は話す。
エボラ出血熱の危機を経て迎える伊勢志摩サミットについては、「議長国として、WHOを中心とした新たな仕組みの提言や、SDGsの採択を行う」方針。 分野横断型の政策概念「ユニバーサルヘルスカバレッジ」の重要性についても触れた。
一方アジア諸国における、非感染症である生活習慣病の増加や、急速な高齢化への対応といった課題も、武見 氏は指摘。「日本の経験を伝 えることが解決の糸口のひとつ」とし、国内で健康寿命・ 平均寿命の延伸を目指すとともに、世界の保健医療制度構築についても提言していくという。
これを聞いたモデレーターの半田氏は、米国で緊急時にいちはやく感染症対策を行うCDC (疾病対策予防センター) の事例を紹介、「各国がこのような組織を持って、 PKOのように連携し、緊急な感染症拡大を封じ込めては」とアイデアを述べた。議論はいっそう熱を帯び、 城内氏も「G7の提言のなかで緊急医療部隊の設置を提言できれば」と応じた。
さらにティム・ランケスター卿 (英国) は、国家間で所得格差があるなか 「国境を超える感染症の脅威に対抗するには、 国際的な医療の不平 等をなくさなければ」。キャ シー・フェリア氏 (英国) も、感染症にさらされる貧困の子どもたちの現状を伝えるとともに「女性もぜい弱な存在」と注意を喚起した。
そして会場は、第四部「閉会セッション」へ。武見氏は締めの言葉として、「日本は人間の安全保障の考え方 のもと、課題解決へ国際協調のイニシアチブを取っていく」と決意を述べた。ランケスター卿は「今日の討論で完全にコンセンサスができた。 武見先生、舛添知事は英国に来て、知見を伝えてほしいほど」と成果を実感。そして「20年仕事を共にした半田総裁の前向きで真剣な姿にはい つも感銘を受けます」と感謝のメッセージだ。
最後に半田総裁が「日本はNGOの力が弱いが、国家ではなく民間の一人ひとりの力が大事。個々がリーダーシップを取ることが、グローバルヘルスという大きな課題に向かう鍵。目の前にいる人をいかに救っていくか。それが原点です」と力強く語ると、会場が割れんばかりの拍手に包まれた。
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