2024年のLIVゴルフが2月2日からメキシコで始まりました。メンバーを見ると、その中にISPS HANDAアンバサダーの選手が入っていました。
まずティレル・ハットン選手(英国)とルーカス・ハーバート選手(豪州)ですね。LIVゴルフはチーム戦と個人戦の同時開催になりますが、必ずどこかのチームに所属します。ティレル・ハットン選手は、同じく今季からLIVゴルフに移籍したジョン・ラーム選手がキャプテンを務める「リージョン13」という、13番目の新チームに入っていました。
ルーカス・ハーバード選手はキャメロン・スミス選手がキャプテンを務める、オーストラリア勢で構成された「リッパーGC」所属になっています。
そして、日本からもISPS HANDA所属の香妻陣一郎選手が、今年からLIVゴルフへの参加が決まりました。香妻選手は、昨年12月アブダビで開催された、今季LIVゴルフ出場権をかけたプレーオフ大会に出場していました。世界中から、元メジャーチャンピオンを含む70人以上が参加し、その中からわずか3人だけが出場権を獲得できるという狭き門を、見事2位で勝ち抜きました。
2年前LIVゴルフが立ち上がった年にも、通算3試合ほど、LIVゴルフの試合に出場していましたよね。谷原秀人選手や木下涼介選手、稲森佑貴選手もその年に何試合か一緒に参加しました。
この時はISPS HANDAの所属選手が3人参戦しましたけど、ISPS HANDA(国際スポーツ振興協会)会長を務める深見東州さん(半田晴久会長)は、LIVゴルフに対しては当初から寛容だったように見えました。それに所属選手たちに対して一切の制約を設けていないそうなので、選手は自由にツアーを選んで参加しているようですね。
選手会長をあと2年続けることに決まった谷原秀人選手ですが、以前LIVゴルフに参加したのは、強い選手と一緒にプレーする機会を求めていたようです。ゴルフがもっと上手くなりたいという気持ちで参加していたようですね。香妻選手もおそらくそうだと思いますが、賞金額の面でも大変な魅力ですよね。
LIVゴルフ13チームは、それぞれ4名づつで構成されているので、計52名の選手がいるわけですけど、仮に年間通じて最下位だったとしても2億8千万の賞金は保証されるそうです。日本男子ゴルフツアー賞金王の獲得賞金額を軽く超えますね。少し良い成績を残せると、たちまち10億くらい稼げそうです。
ただし年間通して最下位からの数名は、来季の出場資格を失うそうです。現在LIVゴルフと、米国男子ツアー、欧州男子ツアー(DPワールドツアー)の統合に向けて話し合いが具体的に行われていますけど、現時点ではLIVゴルフに参加した選手が、米国男子ツアーに戻れるための道筋は示されていません。
欧州男子ツアーの場合は、2年間LIVゴルフに参加したものの、今季のLIBゴルフへの参加資格を失ったベルント・ウィースバーガー選手に対し、今季欧州男子ツアー復帰申請を受理しました。ただし、罰金額が150万ポンド(約2億8000万円)という破格でしたけど、これは契約によりLIVゴルフが肩がわりしたようです。
ベルント・ウィースバーガー選手は欧州男子ツアー8勝、2021年のライダーカップにも欧州代表で出場していました。
また、今季の欧州男子ツアー開幕週と第2週目は、南アフリカとオーストラリアの2カ所で、同時に2試合づつが開催されていましたけど、LIVゴルフのホアキン・ニーマン選手は、「ISPS HANDAオーストラリアン・オープン」で優勝を飾りました。同じくLIVゴルフのルイ・ウーストハイゼン選手は、母国南アフリカ開催の2大会で2連勝していました。
また、他にもシャール・シュワーツェル選手や、キャメロン・スミス選手ら、数名のLIVゴルファーが出場し活躍していましたね。欧州男子ツアーは、LIVゴルフ選手のツアー出場に対して、かなり柔軟に対応しているようです。
日本男子ツアーは、はじめから規定は設けてないので、LIVゴルフに参加しながらでも、途中でも参加できると思います。もしも来季LIVゴルフ参加資格を失ったとしても、日本ツアーでのシード権や出場資格が残っていれば、すぐに復帰できそうですね。もちろん香妻選手は今季だけでなく、来季以降もLIVゴルフで頑張る覚悟だと思います。
しかし、こうして書きながら気がつきましたけど、3期目に入ったLIVゴルフと、米国男子ツアーの上位選手のレベルが、かなりいい勝負になってきたように思います。ライダーカップみたいに、代表選手同士の対抗戦でもやろうものなら、実力伯仲した大接戦になりそうな気がしてきました。
最初は最盛期を過ぎた選手たちが集まるツアーだと思ってましたけどね。今や、現役のトップランカーや若手の有望選手も移籍し始め、そんなイメージがなくなりました。また、現役最高峰選手の一角、ジョン・ラーム選手の移籍は、いろんな意味でLIVゴルフの存在感を決定的にしたように感じます。
そしてLIVゴルフ反対派の急先鋒と言われていたロリー・マキロイも、最近は現実を受け入れているそうです。考え方が柔軟に変わってきましたね。LIVゴルフを支える「PIF」のヤシル・アルルマヤン会長とも面談し、「すごくいい話しができた。彼がどれだけゴルフを愛しているか、何をやりたいかが理解できた」と好意的に語っていました。
これまでLIVゴルフに対して批判的過ぎたとの過ちを認め、今回のティレル・ハットン選手のLIVゴルフ移籍についても、事前に何度も会話していたそうです。相手に理解を示し擁護していました。また、米国男子ツアーに戻りたいという選手がいるなら、戻るための道を提供すべきで、罰も必要ないとも語っていたそうです。むしろ、米国男子ツアーの運営に対する批判が、少し目立ってきた感じもします。
世界ランキングの決め方に関しては、世界ランキング(OWGR)の統括団体からLIVゴルフの要望が退けられました。現時点でLIVゴルフの試合はランキング決定の対象にならないと決まりました。LIVゴルフの試合に出場できる選手の入れ替わりルールが「世界ランクが基本としている公平性と実力主義の原則に合致していない」というのが大きな理由のようです。
まずは3団体統合の話し合いの行方がどうなるのか、気になりますね。昨年末までという合意内容決定の期限は、とりあえず延期になりました。その話し合いがうまく進めば、世界ランキングやライダーカップの出場や、世界のゴルフ界のいろんな案件が、良い形に落ち着きそうな気がしますけどね。
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