少し前のことになりますが、10月17日に日本・ロシア協会と駐日ロシア連邦大使館が、日ソ共同宣言の調印から60年を迎えることを記念して、「日ロ国交回復60周年・日ロフォーラム」を開催したそうです。
日本・ロシア協会の会長は、深見東州さんとも親しかった鳩山邦夫衆議院議員でしたが、惜しくもお亡くなりになったので、現在は高村正彦自民党副総裁が就任しています。そして、会長代理兼副会長である深見東州さんも出席されました。それに先立って、「日ソ共同宣言締結記念鳩山一郎銅像献花式」が鳩山会館で行われ、深見東州さんが乾杯の音頭をとられていたそうです。
挨拶では、「この鳩山会館のキッチンで邦夫さんと「チァーハン(作り)対決」をやったことを思い出します。私は邦夫さんの依頼で、日本・ロシア協会の副会長と会長代行をお引き受けしました。今、鳩山一郎元首相の像とともに歴史の重みを感じながら、60周年をお祝いしたいと思います」と話されたそうです。
鳩山邦夫衆議院議員はとても料理が上手で、秘書の分まで作って食べさせたりしていたようですね。そして数年前、一度料理の腕を2人で競われたそうです。鳩山邦夫議員も、深見東州さんの作る炒飯の味に唸って、美味いと言われていたと聞きました。お2人とも料理の腕前がとても素晴らしいようです。
日露といえば、今月はプーチン大統領が来日して、安倍首相と首脳会談を行いましたね。残念ながら北方領土の具体的な進展はありませんでしたが、友好関係としては、一二歩前進したようにも感じました。政治的な駆け引きはよくわかりませんが、深見東州さんは、日露交渉の鍵は、「政冷経熱文温」にあると言われているそうです。
現在、両国首脳同士の関係は、ずいぶん改善されているように思いますが、基本的に日露の政治関係は長い間冷えていましたよね。そして経済交流も、日本とロシアの貿易額は1、4兆円ほどで、日中の20分の1、日韓の6分の1に過ぎない規模だそうです。人の交流になるともっと少なくなり、日中や日韓と比べても30分の1程度だと言われているそうです。
そこで、たとえ政治関係は冷えていても、経済が熱く、文化芸術スポーツが暖かく交流していけば、政治も温かくなるチャンスが来ると言われていました。
深見東州さんは、ロシアが生んだ偉大なバレリーナである、マイヤ・プリセツカヤさんを日本に呼んで、古事記を題材としたオペラバレエで共演したこともあります。また、その後も能楽の羽衣を題材にした創作能・オペラでも共演するなど、実際にロシアとの間で文化芸術の交流をしてきた経験があります。
そして、今回の日露首脳会談では、かなり突っ込んだ経済・民生協力のプランが合意されてますが、これを機に日露の経済関係がさらに深まる可能性が高くなってきました。まだ、時間はかかるでしょうけど、2国間の経済が活発になり、そして文化交流も活発になっていけば、両国間の国民感情にも大きな変化が出てくるかもしれません。それを支えとして、政治的な解決を促すきっかけになっていくのではないかと思います。
首脳会談の会見で、プーチン大統領は、このように述べてましたね。
「(安倍)首相の提案を実現していけば、この島は日ロ間の争いの種ではなく、日本とロシアをつなぐ存在になり得る可能性がある。(中略)首相の提案とは、島での経済活動のための特別な組織を作り上げ、合意を締結し、協力のメカニズムを作り、それをベースにして平和条約問題を解決する条件を作り上げていく。われわれは、経済関係の確立にしか興味がなく、平和条約は二次的なものと考えている人がいれば、これは違うと断言したい。私の意見では、平和条約の締結が一番大事だ」
つまり、信頼関係を作り上げて、平和条約締結、領土の引き渡しの環境を進めようとしているようにも感じられます。4島を全部返す気があるのかはわかりませんが、領土問題の政治的な進展につながっていくと嬉しいですね。
深見東州さんは、このフォーラムの閉会宣言において、以下のように述べられたそうです。
「北方領土については、いまだに憤懣やるかたなしで「4島一括返還論者」はいるし、国益を考えれば妥協もやむなしという人もいる。新しいパラダイムを視野に入れた上で、徹底的な議論が必要だ。その意味で、陸軍中野学校卒で沖縄返還や北方領土問題に先駆的に取り組んだ、末次一郎氏の功績に注目したい。彼は日本とロシアの学者や研究者を集め、学術的交流をして人間関係や相互理解を深めた。しかしそういった熱き議論をする学者が高齢化し、少なくなってきた。これから私は、明るく楽しいアーティスティックな末次一郎を目指したい」と言われていたそうです。
日ロ国交回復60周年記念・日ロフォーラム 開催 / 日本・ロシア協会ホームページ
自民・高村正彦副総裁、北方領土解決へ「胸襟開いての議論が不可欠」 / 産経ニュース
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