ハリー王子(サセックス侯爵)が、深見東州さんが会長を務めるISPS HANDA (国際スポーツ振興協会)のイベントに参加するため来日していましたね。
8月に入って、突然そのようなニュースが流れ、本当に来るんだろうかと思ってましたけど、ちゃんと来日していました。
ハリー王子と深見東州さんは、かなり前からチャリティー活動を通じて昵懇の仲でしたので、イベントに参加しても不思議ではないんでしょうけどね。何しろハリー王子は英国王室を離脱し、王室への批判が物議を醸し世界を騒がせていますから、そんな大変な状況で来日するのかなと思ってしまいました。
それにしても日本でも、ハリー王子をよく思ってない人が大勢いるんですね。そのことにもちょっとびっくりしました。ダイアナ妃が話題になっていた頃はともかく、今は英国の王室の出来事に、それほど日本で関心があるように思ってなかったので。
私としては、ハリー王子の言動には問題があると思いつつ、インビクタス・ゲームズやサンタバリーでの慈善活動などの実態を知ってましたから、人間的に優しくて、いわゆるノブレス・オブリージュをしっかりと頑張っている人だと思っていました。
ノブレス・オブリージュとは、莫大な財産や地位・権力をを持つ貴族や上流階級に生まれた人たちには、重い社会的責任があり、それを果たす義務を負うという、欧米の道徳観のことですね。
英国の階級社会がなぜ崩壊しないかというと、国がいざという時には、王室や貴族が率先して立ち上がるからとも聞いたことがあります。
ナチスとの戦闘でも、貴族階級の人たちが逃げ出すどころか、身を挺してロンドンの街を守り切ったという歴史があるからなんでしょうね。邦題「英国王のスピーチ」という映画にもなった、エリザベス女王の前の王だったジョージ6世や、当時の首相だったチャーチルの存在も大きかったと言えますが、多くの貴族たちの率先した行動があったそうです。
これは欧米社会に限ったことではなく、日本では昭和天皇の行いもまさにそれだったと思っています。戦後間も無く、マッカーサーは昭和天皇が命乞いに来たのかと思ったら、自分はどうなっても構わないから、民を救ってほしいと、財産目録を差し出して懇願されましたからね。
ハリー王子も、王子だからという特別扱いを嫌って、10年間軍隊に在籍し、何度か戦場に赴きました。それも、ノブレス・オブリージュの精神と無関係では無いと思います。
そして、その従軍した経験があり、戦場がどんなものかをよく知るからこそ、傷病兵や心が傷ついた元軍人のための、インヴィクタスゲームズを提案したと言われています。国のために戦って傷ついた人たちの助けになりたかったのでしょう。
ただハリー王子の場合、その頃は大変な人気がありましたし、英国のメディアにとって、これほど話題性のある人物もなかなかいないわけですから、その頃から何かにつけ色々言われてきて大変だったとは思います。
そもそも英国王室は、様々なスキャンダルでもよく知られていますが、兄弟喧嘩にしても、不倫にしても、一般社会ではよくあることではあっても、王室では大変な大事件になってしまいますからね。
プライベートに関しては、高貴な者の責任を果たせていないロイヤルファミリーも多いですけどね。ただ、未成年者との性的行為の疑惑があるアンドリュー王子でさえ、フォークランド紛争では戦地に赴き、また、スポーツ関連のチャリティ活動なども行なっていましたからね。
英国王室は、先頃亡くなったエリザベス女王をはじめ、国民や社会的弱者のために何かをする人が多いのも事実ですから、ノブレス・オブリージュの精神は、しっかりと継承されているように感じています。
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