先月、深見東州さんの誕生日の3月18日に開催された、「世界の医療と、国際政治」サミットは、とても大事なことをお話されていることがわかりました。ただ専門的な内容も多く、展開が早かったため、私の頭では十分に内容を掌握しきれませんでした。
そこで、そのサミットに関する記事がいくつかありますので、そちらを紹介しながら、もう一度当日の内容を振り返ってみたいと思います。

まず、第一部の挨拶で、高村正彦自民党副総裁が問題提起をしています。
「2014年にエボラ出血熱は、約1万1千人もの命を奪い、欧米でも患者が確認されました。グローバル化の進展にともない、感染症は世界の平和と安定、経済に対し、国境を越えて大きな脅威をもたらすことを如実に示しました。」
エボラ出血熱の流行は、発生国での感染にとどまらず、検知報告の遅れや不十分な国際社会の対応で、死者が増大したことを指摘しました。
「日本でもジカ熱感染の患者が確認されました。感染は国境を越えて移動し、どの国にとってもひとごとではない。国際社会が結束して感染症の脅威に取り組むことが求められる」と、改めて地球規模の医療対策の重要性を説きました。
また、来る5月に開催されるG7の伊勢志摩サミットでは、グローバルヘルスに関することが重要な課題になることを紹介し、今回のサミットが時宜を得たものであると評価し、半田晴久(深見東州)総裁の尽力に謝意を述べていました。
そして次に、実父の死去により来日できなくなったピーター・ピオット博士のビデオによる基調講演が上映されました。本来この日に、「世界の医療と、国際政治」サミットを開催をしたいと勧めたのは、ピーター・ピオット博士だったそうです。それだけに、来日できなかったことは残念だったでしょう。その分、グローバルヘルスに関する大事な課題をしっかりとVTRにして送ってきたのでしょう。
内容は、「半田晴久(深見東州)先生、お誕生日おめでとうございます。いつもサポートありがとうございます。愛する父が亡くなり、葬儀に出なくてはなりません。」とあいさつした後、「今年はグローバルヘルスにとって重要な年。グローバルヘルスとは、2000年頃から出てきた新しい概念で、日本の、医療の安全保障、人間の安全保障という考えに基づいている。
医療は、地域のものであるけども、エボラ出血熱やエイズなどの感染症はコミニティだけではない。数万キロ離れた場所の流行病、貿易、技術革新といった世界的な出来事が、現在では、国民一人ひとりの医療に影響を及ぼすことになった。ウィルスはいつも新しいものが出てくるが、準備が大切で、そうすれば、大々的な流行は避けられる。」などを訴えました。
感染症が招く健康被害や経済的損失について言及し、グローバルな時代において、医療は国際的な課題として捉えられる時代になったことを指摘しました。そして温暖化問題に取り組むように、医療もまた、世界の人々の安全保障の一部として、適正な対策についての情報をグローバルな問題として国家間で共有することの必要性を訴えていました。
さらにそれらを実行する具体策として、⑴病気を特定するプログラムの開発。基金への補填。⑵日本の国民皆保険制度のような保険体制の強化。⑶感染症に対する準備。などを挙げ、革新的、画期的に安全な世界を作る突破口とすることを強調されていました。

この後第2部、第3部とパネルディスカッションや基調講演が、まだまだ続きます。私の素人目から見ても怖いなと思ったのは、感染症は次々と新しいものが生まれてきていること。そして、そのワクチンや治療法など、有効なものが追いついてないことでした。
また、エボラの大流行では、国連機関の十分な監視機能が働かず、流行を防げなかったこと。国連内がお役所的になっているのではないかと思ったことです。それと関連しますが、感染症が発生しても、現地の政府がそれを認めず、隠そうとすることにも衝撃を受けました。
隠すために、国連機関の監視も巻き込んで、いろいろと画策しているんですね。そんなことをしていたら、その国の国民がまず大きな被害者になります。それだけでなく、世界にあっという間に飛び火してしまう可能性に愕然としました。
これは、真剣に国際政治の最重要課題として解決しなくてはならない問題ですね。そうじゃなければ、この先強力な感染症が発生した場合、実際にその可能性は大いに考えられますので世界は大混乱となり、大惨事になってしまうでしょう。素人の私でも、そのような危険性を強く感じました。
それを防ぐには、初動が大事だと理解できましたし、すぐに封じ込めることが重要ですね。すぐには治療薬はできませんし、まるで映画の世界のようなことが、現実に起きるということを、よく理解できました。
しかし、世界の国々が一致協力していけば、防ぐことはできることも理解できました。そういう意味で、今回のサミットは、とても大事な内容を認識できた有意義なものだったと思います。
それでは、上に画像を貼ってますけど、見ずらいと思いますので、以下に2016年4月8日の産経新聞の記事の文字起こしをしました。
「世界の医療と、国際政治」サミット、開催(産経新聞 2016/4/8)
2016年5月、日本が議長国となりG7伊勢志摩サミットが開催される。それに先立つ3月18日、特定非営利活動法人 世界開発協力機構(WSD: 半田晴久総裁)が主催する「世界の医療と、国際政治」サミットが東京都内で開催された。約1500人の参加者は、世界のオピニオンリーダーたちによる基調講演やパネルディスカッションを通し、グローバルヘルスの課題や方向性、日本が果たすべき役割などについて理解を深めた
第一部 開幕セッション グローバルヘルスで世界をリードする日本
今回のWSDサミット は、ロンドン大学衛生熱帯医学大学院との共催で行われ、世界のオピニオンリーダーたちが半田晴久氏の招聘に応じて参加した。
開幕セッションでは、まず半田氏がWSDサミットの特色として、「一般の方にグローバルヘルスという大きな課題を知っていただく」「世界の人々とネットワークを作り協力し合う」 「専門分野や政治の中心で活躍している人が参加するサミットであり、日本政府に直接提言ができる」という3つを紹介した。
また、本サミットをより理解するためのキーワードとして、すべての人が適切な健康増進や予防、治療、機能回復に関するサービスを、支払い可能な費用で受けられる 「UHC (Universal Health Coverage)」について解説。さらに、昨年国連で採択された「SDGs (Sustainable Development Goals) 持続可能な開発目標」について紹介した。
これを受けあいさつに立った衆議院議員で自民党副総裁の高村正彦氏は、伊勢志摩サミットで医療保険分野が重要課題になる中、 グローバルヘルスをテーマとしたWSDサミッ トはまさに時宜を得たものと高く評価。感染症の脅威は深刻であり、「国際社会が結束して取り組むことが求められている」と強調。
続いてあいさつに立った参議院議員で自民党の国際保健医療戦略特命委員会委員長、武見敬三氏も、「日本は国民皆保険制度を達成し、世界トップの平均寿命という成果を挙げた。 そして、高齢化社会に取組んでいる現在の経験も世界に生かせる」と、日本の貢献に言及した。
その後、ロンドン大学衛生熱帯医学大学院学長、ピー ター・ピオット氏のVTRによる基調講演が行われ、グローバルヘルスという概念は、日本で生まれた『医療の 安全保障』 『人間の安全保 障』という概念に基づいてい ることを紹介。結びに衆議院議員の城内実氏が、「G7によるUHC推進に向けた取り組みを後押しすべき」と 今年の議長国日本政府に対し期待を述べて、開幕セッションを締めくくった。
第二部パネルディスカッション 1. 21世紀のグローバルヘルス 課題と専門家らによる挑戦
東京五輪・パラリンピックを万全の体制で
第二部では、東京都知事元厚生労働大臣の舛添要一氏が基調講演。大臣時代、メキシコで新型インフルエンザによる死者が出ているニュースが入り、インフルエンザの対応に苦慮した経験を述べ、「感染症との戦いは、人類が生き残るための戦い」と強調した。その上で、4年後には東京五輪・ パラリンピックが開かれるが、エイズ、結核、マラリアの三大感染症以外でも万全の体制を整えたいと述べた。
また舛添氏は、これまでの経験で学んだ危機管理として、「情報の公開」と「現場第一主義」を挙げ、 現場の医師からしっかり状況を聞き取り、徹底して国 民に情報を公開し、いかなる感染症とも戦っていきたいと決意を示した。
続いて、「21世紀のグロー バルヘルス 課題と専門家らによる挑戦」をテーマに、半田氏がモデレーター (進行 役) となってパネルディスカッションがスタート。まず「専門家による挑戦とは、先進的なワクチンの開発や、WHO (世界保健機関) に代わって、多くの機関が協力しなければならない状況を指すのではないか」とパネリストらに問いかけ、これを受けて、ロンドン大学衛生熱帯医学大学院教授のサイモン・クロフト氏がまず意見を述べた。
新薬の濫用で 耐性菌が出ないよう国際機関が対応を
サイモン氏は、感染症の発症率が減ってきているのは、単に資金が投入されただけでなく、官民での協力体制が増え、新たなツールが出てきたからだと指摘。 「さまざまな機関が官民一 緒になり、疾患を減らすため15年間にわたり取り組んできて、撲滅まではいかなくとも二次感染を防止するなどの成果につながっている」と述べた。一方で課題もあるとして、「新薬の濫用で耐性菌が出てきては元も子もなくなる。膨大な時間とお金をかけて開発した薬に対し、国際的な機関は持続可能性を考えなければならない。成功から学ぶとともに、失敗からも学ぶことが大事だ」と呼びかけた。
官民のパートナー シップ推進が感染症対策のカギ
グローバルヘルス技術振興基金CEO兼専務理事のスリングスビーB・T・氏は、 自らのミッションは感染症の薬や診断方法の開発で、これまでサーズやエボラ出血熱、ジカ熱などの感染症に対処してきたと述べ、「しかし、2014年に東京でデング熱が80年ぶりに発生したように、感染症には終わりがない」と警鐘を鳴らした。
そして、世界的に見て日本は薬の開発能力で第三位だが、「製薬会社も感染症だけに投資していては赤字になっていまう。ここで求められるのが、政府と民間のパートナーシップだ。 2003年にサーズが拡大したとき、厚生省と外務省と製薬会社が協働して大きな成果を挙げた。通常は新薬が出てくるには10年かかるが、5年で出てくる可能性も出てきた。 素晴らしい成功だ」と紹介し、日本がグローバルに投資しパートナーシップを後押しするこ とで、革新と技術開発ができると期待を込めた。
感染症以外でも多くの命が奪われ子どもが不幸に
マヒドン・オックスフォード熱帯医学研究ユニット研究医のシン・ホウイ・チャン氏は、マラリアの研究をしている感染症ドクターの立場から発言。三種混合ワクチン (ジフテリア・百日咳・ 破傷風混合ワクチン) の成功などにより、多くの子どもたちが苦しみから解放されたと紹介し、この成功を拡大していきたいと熱意を述べた。その上で、「感染症の薬の開発における課題は、緊急対応時にきちんと治験薬を使えるかどうか、 将来に向けいろいろな薬をためせるかどうかが重要だ」と訴えた。
現場で緊急事態に対応しているという、ハンダメディカルセンター院長のゲーリンダ・ルーカス氏は、エボラ 出血熱に関し、こうした事態になることを誰も考えておらず、自分たちにはまった く用意ができていなかった と述懐。感染症の問題以外にも、世界的に見ると年間 150万人が交通事故で亡くなっており、しかも年々増加しているとして、「このまま何もしなければ交通事故は増加し、家族を養う父親が事故に遭うと子どもが苦しむことになる。こうした問題も話し合っていくべきだ」と会場に呼びかけた。
第三部 パネルディスカッション2. G7の21世紀のグローバルヘルス推進におけるリーダーシップ
国家単位ではなく人間一人ひとりに焦点を当てる
第三部では、武見敬三氏が 基調講演を行い、グローバルへルスがG7で重要な課題になった理由について、「人間の「安全保障」の面から考察。自身が外務政務次官を務めていた小渕内閣時代に、冷戦後の新たな安全保障の概念として、 国家単位ではなく人間一人ひとりに焦点を当てた考え方が出されたことを紹介した。
さらに武見氏は、経済的、 社会的に活力のある健康長寿社会、一億総活躍社会をつくるためには平均寿命と健康寿命の差をいかに縮小させるかが重要で、「日本だけでなく、世界が保険医療制度を構築し、途上国がUHCを達成するときにも、この考えを取り入れる時代になってきた。伊勢志摩サミットでは、こうした保険医療に関わる方針を提言する準備をしている」と、G7サミットに意欲を示した。
各国が協力して危機管理システムを構築し対応を
これを受け半田氏は、「一つ のアイデアとして、アメリカの医療軍隊といえるような組織、CDC (Centers for Disease Control and Prevention) をヒントに、各国がこれを保持して、緊急の感染症発生時に派遣してスピーディーに封じ込める方法があるのではないか」と提案。城内氏も同意し 、「日本は危機管理に強く、昔から地震・台風などの災害を克服しながら、失敗から学んできた。そのノウハウを活用し、半田氏が提案した危機管理システム、ユニットをさまざまな国が協力して構築し対応を打ち出すのが良い」と述べた。
武見氏は、「感染症は現地で抑え込まないと、いつ自国に来るか分からない。米国だけでなく他の国も、いち早く感染症の株を調べてワクチン開発をし、国民を守ることを考え取り組んでいる。日本も途上国の感染症発生を封じ込める体制を整えようと準備が始まったところだ」と紹介した。
G7の首脳たちは医療制度改善や感染症予防に責任
前ロンドン大学衛生熱帯医学大学院理事長のティム・ランケスター卿は、「国際的な目標は1つや2つの国では達成できない。その点、日本が保険をG7のテーマに優先的に入れたことは素晴らしい。今ここで議論していることは、G7サミットの結論にも影響を与える」と賛同。 先進国と低所得国は平均寿命で約 17歳もの開きが生まれていると指摘し、「医療制度の不平等は道徳的に受け入れ難いこと。 先進国の医療を減らすということではなく、G7の首脳たちは、最貧国における医寮制度の改善や感染症の予防、国民皆保険の推進を後押しする必要がある」と述べた。
半田氏は、マザー・テレサがノーベル平和賞を受賞した時のエピソードに触れ、「人々を救うため政府にもっとできることがあるのでは」という問いに、「私には分からない。ただ、目の前にいる病人を一人また一人と救う、それしか考えていない」と答えたことを紹介。これも、素晴らしいリーダーシップの一つで、その足跡がどれだけ多くの人々に勇気と希望を与えたかと述べ、「最終的には目の前にいる病人を一人ひとりどう救うのか。われわれ民間の立場はこれに尽きるのではないか」と会場に呼びかけた。
各国協調のイニシアチブを取るのが日本の道
アフリカのレソト王国で貧困のこどもたちなどのヘルスケアに取り組んでいる、サンタバリーCEOのキャシー・フェリア氏は、「この国の平均寿命は48歳。どれくらい皆さんと違う環境に人々がいるかわかると思う。こどもたちは感染症の脅威にさらされ命を奪われている」と現状に言及。 HIV陽性の人の40% が薬をもらえず、自分はそうしたHIVキャリアの子どもたちと仕事をしていると訴えた。 「しかし、信じていることがある。正しいサポートが受けられ、自分たちの人生をコントロールできれば、必ずHIVを止められる世代になれる。自分の責任でなくHI Vにかかってしまった子どもたちが平等に医療を受けられるよう、世界が連携しなければならない」と語りかけた。
武見氏は、感染症は一国だけでは解決できず、国境を超えて協力しなければならないと強調。「自国のナショナルセキュリティの観点だけではいけない。互いが、通じる価値観を持って協力し合うことが必要だ」と述べた。そして、 日本は「人間の安全保障」という考えを持っており、「この考えを育てながら、共通の課題を各国が協調して解決するためのイニシアチブをとっ ていく。これがこれからの日本の道だと確認した」と、有意義な議論がなされたWSDサミットを締めくくった。
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