ISPS HANDAアンバサダーのチャーリー・ハル選手が、先週開催の米国女子ゴルフツアー「クローガー・クイーンシティ選手権」で優勝を飾りました。2022年以来の3勝目を挙げ、世界ランキングも5位に上昇しています。
2日目、3日目と、激しいトップ争いをジーノ・ティティクル選手と繰り広げ、最終日は1打差のトップからのスタートでした。しかし最終ホールは逆に1打差リードを許した状態で迎えます。
ティティクル選手がバーディーチャンスにつけますが、そこからバーディーパットを外し、返しのパーパットも外すという痛恨のボギーをたたきます。一方ハル選手はイーグルパットは外したものの、短いバーディーパットを残して、2度も仕切り直しをした上でこれを沈め、土壇場で逆転優勝をつかみ取りました。
TWO-SHOT SWING on the 72nd hole. 😳
— Golf Channel (@GolfChannel) September 14, 2025
Charley Hull makes birdie for the victory while Jeeno Thitikul bogeys. pic.twitter.com/GMindAABcl
ゴルフは最後の最後までわかりませんね。世界ランキング1位のジーノ・ティティクル選手にとっては、悔やんでも悔やみきれない最後のパットになりました。
チャーリー・ハル選手も、この3度目の優勝に至るまでは、今年はなかなか苦労がありましたけどね。
家族が皆喫煙者で、父はヘビースモーカーという家庭で育ち、タバコが大嫌いと言ってましたけど、ストレスが溜まると吸ってしまうようです。去年はゴルフコース内での喫煙が、とても話題になりましたけどね。

でも、今年3月に喫煙を止めるという賭けをします。今後2ヶ月間に喫煙したら1万ドルを親友に差し上げますと、インスタに投稿していました。その後、喫煙を止めることは、今までで最も簡単な事だったと言ってましたからうまく禁煙できたようですね。
「単なるゴルファーにはなりたくない。アスリートになりたい。メンタルヘルスにも良いし、自分自身のためにもトレーニングしている」と、今年初めに彼女は語っていました。
しかし7月中旬、エビアン選手権の試合中に倒れ、立ち上がるたびに失神し、担架で運び出されるという事態が起きました。たぶん酷いウィルスに感染していたと思うと言っていました。さらに回復中に背中を痛めてしまいます。
それでも翌々週の「ISPS HANDAスコティッシュオープン」では元気な姿を見せ、さらに翌週の「AIG女子オープン」では優勝争いを演じ2位タイで終えます。メジャー大会での2位はこれで4回目です。

そんな好調のさなかでしたけど、「AIG女子オープン」の翌週の試合会場の駐車場で縁石につまづき、足首の靱帯を断裂してしまいます。
医者から復帰まで9週間と言われますけど、なんと3週間で復帰し、欧州女子ツアーの「アラムコ・ヒューストン・チャンピオンシップ」で2位に入ります。
ただ、筋肉の断裂が原因で背中にも問題を抱えていたそうで、背中のMRI検査を受けながら、本来は出場が危ぶまれるような状況だったようです。
そんな状態で、翌週開催「クローガー・クイーンシティ選手権」では、4日間好調を維持して優勝したんですね。
What a feeling! 🏆 Absolutely buzzing after clinching the win at the Kroger Queen City Championship today. Grateful for the support from my team and all you fans out there. Time to celebrate with some fish tacos who's joining? 🎉😅 #CharleyHull #LPGA #QueenCityChamp pic.twitter.com/Zmyfileifz
— Charley Hull (@CharleyHul11) September 14, 2025
あらゆる怪我に見舞われる中で好プレーを続けた秘訣を問われると、「体調が悪い時、病気の時は大抵良いゴルフができるの。普段は頭がフル回転だけど、体調が悪いとリラックスできる。自身への期待も減って、自分にプレッシャーをかけなくなる。そうすると逆に良い結果が出ることもあるの」と答えていました。
そして、「今週は体の調子が実際かなり良かった。少し痛みはあるけど。14日間の休みを取った後、家でひたすらハードに練習してきたんだ。努力は報われる。今回はそれが実を結んだ」とも言っていました。
精神的な強さは、両親の影響もあるそうです。「子供の頃、転んだ時、父は『骨は折れたか?』『折れてないなら、泣くのはやめろ。立ち上がって続けろ』と言う人だった。幼い頃からそう教えられてきた。痛みは心の弱さだ。足が動かせなかったりベッドから起き上がれなかったりしたら理解できるけど、動けるなら我慢しろってね」
Charley Hull speaks with the media following her win at the 2025 Kroger Queen City Championship presented by P&G https://t.co/tOyTF0Bp8x
— LPGA (@LPGA) September 14, 2025
チャーリー・ハル選手は、全英女子オープン後に絶好調と言ってました。体調不良がありながらも、それは続いているようですので、この後も体調に気をつけて、プレーを続けることができると良いですね。
今回の大会では、日本選手も5位タイまでに3人が入るという、女子日本の進撃は続いていますね。そのせいもあるのしょうか、今季米国女子ツアーは、2度優勝した選手がいないという珍事が継続中ですね。
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