先月末は、世界から保守系の元首相が来日し、「地政学的課題 – 変転する世界における日本とインド太平洋地域」と言うテーマのもと、諸問題において濃い議論が交わされました。また、翌日にも場所を変え、特別講演会が開催されていました。
そこでの議論や講演内容が、新聞などに掲載されていましたので、少し紹介したいと思います。
最初に、国内でも与野党の分け隔てなく、国会議員との交流をもつ深見東州さんの挨拶がありました。深見東州さんは超党派だと言うことですが、米国、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドなどで保守が劣勢の中、両者のバランスを取ることが大切だと言うことで、今回保守政党の代表者の集まりを企画したと語りました。
そして、IDU(国際民主同盟)の議長であるスティーブン・ハーパーさんに相談し、デービッド・キャメロン(英)、スコット・モリソン(豪)、ジョン・キー(ニュージーランド)、エンダ・ケニー(アイルランド)、そしてウクライナのユーリヤ・ティモシェンコさん、と言う各国元首相たちの参加が決まったそうです。
ちなみに、今、宗教と政治の関係ということで、亡くなられた安倍元首相はじめ政治の世界は揺れてますよね。そのきっかけとなった安倍元首相も、本来でしたらこのサミットに来られて挨拶をされる予定だったことが、紹介されていました。
今日本の政治で問題になっていることは、いろんなことが入り組んでいるので、問題点をよく整理して精査しないと、どう決着を付けるのが良いのか見えてきませんけどね。
なのでそのお話は置いとくとして、今、最も注目が集まるウクライナ情勢についての、ティモシェンコさんのお話を新聞報道をもとに書いてみます。
ティモシェンコさんは、ウクライナが独裁主義政権下にあった時に投獄されていたそうですが、その釈放のために安倍元首相に尽力してもらったことを伝え、深く哀悼の意を表されました。そして、今自由と独立の戦いを続けているウクライナに、日本からお力添えをいただいていることに、厚く感謝申し上げますと語られました。
今、ウクライナでは全人口の3分1に相当する1400万人が家を追われ、500万人以上が海外に逃れているそうです。そして、2月24日のロシアの侵攻以来、北海道と同じ面積が占領されました。
日本でも、ロシアが侵攻したのは、ウクライナがNATO加盟を希望していることと無関係ではないと、よく耳にしますが、ティモシェンコさんは、それとは何の関係もありませんときっぱり否定されました。プーチンはそれが起こらないことを知っているからだそうです。プーチンは、ウクライナには独立国として存在する権利はないと信じている、と語りました。
その上で、この悲惨な戦争を、ヨーロッパの一角で起きた紛争で、そのうちに収まるでしょうというような考えは持たないでくださいと言われました。2008年にロシアはグルジアに戦争を仕掛けて領土の2割を奪い、2014年にはクリミアに侵攻して併合しました。その時、世界は何も対応できませんでした。ですから、私個人的には、今回の戦争は、それらの機会が再びよみがえったのであって、今の新たな現実を直視して、地域と世界の平和秩序を更新し、再構築するチャンスが来たのだと思いますと語られました。
この歴史的な機会を、最大限に活かさなせればなりません。ウクライナ領内の悪に終止符をうち、欧州、インド太平洋地域、そして全世界において、新たな安全保障の秩序を構築しなければならないのですと力説されました。
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