TOC五反田メッセで開催された、深見東州さんのバースディ個展会場をのぞいてきました。毎年、たくさんの来賓を迎えて盛大に開幕式が行われますが、今年もまずは本場のサンバダンサーズとチアガール、ミス・ユニバースたちが登場し、会場が盛り上がりました。
開幕式が行われたのは3月18日のお昼ごろでしたが、その映像を個展会場で繰り返し上映していたので、一部始終を後から知ることができました。
今回は深見東州さんはじめ数名のソリストが出演しての、主にピアノ演奏によるコンサートも行われました。
「サライ」「春よ、来い」「ファントム・オブ・オペラ」「蠍座の女」「メタボの雀」と、最近のコンサートでよく歌う曲目を披露されていましたね。「ファントム・オブ・オペラ」以外はシンプルなピアノによる演奏でしたけど、ヴォーカルが引き立ち、新鮮な感じでした。
メインとなる絵画の個展ですが、この1年で描いた作品数としては、これまでよりは少なめのようでした。といっても、これまでが画家として非常な多作で、年間100点以上の作品を仕上げる年も多かったようですからね。今回は少なめだと言っても、それでも20点ほどはありました。
今年の新作の感想としては、去年までの流れからくる作品が多かったのですが、新たな物議を呼びそうな作風の作品もいくつか見られました。美術作品の概念というか、常識を崩すような作品だなと思いました。これまでも、そういうものはたくさんあったと思いますが、今年はさらに違った印象を持ちました。
とてもうまく説明できないので、今回無料でいただいた「第7回深見東州選りすぐり絵画展2022」の図録集の解説から少しだけ引用します。
プロの美術評論家が深見東州さんの作品のいくつかに対して抱いた思いとして、こんなにも明るく無邪気なアカデミズム批判があったのか、と言うものがありました。だだしこれまでにも、「日本の戦後美術史76年の歩みの中には、美術史と呼ばれるものにかろうじて支えられてきた美術史のウソ臭さをはっきりと見限り、打ち破ろうとする作品がなかったわけではない」と言うことです。
しかし、深見東州さんの作品には、そのような美術史のウソ臭さを打ち破ろうとする画家たちの挑発的なスタイルとは、少し違うものを感じるそうです。「長い下積み生活の鬱憤を一気に晴らすような、おどろおどろしい呪いの表現といったものがない。社会の必ずしも美しくはない有様に、決して正面から挑みかかってはいかないというか、拳を振り上げ怒りにまかせた果し状的な所作をしないことからくる、笑顔のまぶしさがあふれているのだ」と、解説されてました。
なんとなく、言わんとする意味はわかる気がしますね。美術界のセオリーを打ち破るような作品もありますけど、それでいて別に気負いはなく、見る人を楽しませてくれるんですよね。
深見東州さんのある作品を見て、画家の絹谷幸二さんが、これは芸大を出た人には描けない作品ですね、と言われていたとか聞きました。おそらくは、同じような意味なのかもしれませんね。そしてどの作品にも、見る人にほのぼのとした元気を与えるようなところがあり、見ていて疲れないし、楽な気持ちで鑑賞できますね。
専門的なことは分かりませんが、深見東州さんの作品を高く評価していた美術評論家の故ワシオトシヒコ氏は、「日本の大学の美術教育の現場は、アカデミズムのレベルで四苦八苦している。理想的な指導者がまだ現れていない。その点、あらゆる書画表現、あらゆるステージ表現、あらゆる執筆表現、あらゆるトーク表現にケタ違いの異能ぶりを発揮する深見東州の存在が、ますますクローズアップされて行くことだろう」と評論していたそうです。
深見東州さんの作品を見た人は、正統を掲げる学術団体の枠には、とうてい収まりそうにない作品だと感じるでしょう。かといって、これまでの美術史を否定するのでも、挑発するのでもなく、深見東州さん自身は、古典的な作品から現代において評価の高い作品まで非常に詳しいし、専門的な知識も豊富でよく学んでいるように思います。
その上で新たな個性を発揮し、独自の作風に磨きをかけているように感じますけどね。それも道半ばで、まだこれから完成していくのかなと感じさせる伸び代も感じますね。
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