ライトアップした都庁をバックに、東京大薪能が盛大に開催

能楽師

東京大薪能は、都民広場がぎっしり埋まるほど多くの人が見に来ていました。あんなに人が来るとは思ってなかったので、私が夕方に行くともう立ち見席しか空いてなかったですね。

3時間以上、立ったままで観能することになりました。午前中から整理券を配っていたそうなので、一度昼頃に来れたらよかったんでしょうけどね。ただ、それよりも双眼鏡を持って来るべきだったかなと少し後悔しました。かなり後ろから見ることになりましたから、舞台は思ったよりも遠いですね。ハイビジョンの巨大スクリーンなんかはありませんからね。でも、YouTubeのライブ配信もあったので、そちらを時々スマホで見るということもしました。ただライブ配信は、やはり十数秒のタイムラグがありますね。

美しい色にライトアップされた都庁を背景にした能舞台は、なかなかオシャレで、視覚効果は抜群でしたけどね。そして能の細かい動きを見るために、やはり双眼鏡は必須でしたね。能は省略の芸術ということなので、最小限の動きによる表現を楽しみたいですからね。

今回も、深見東州さんによる能楽の解説がたっぷりとありましたけど、そこで能のお面を使って実地に解説されましたが、遠くの人にはわかりにくかったでしょうね。解説が長かったと言ってる人がそばにいましたけど、立ちっぱなしで、さらに細かい表情や動作まで見えないとなると、気が散漫になってしまうでしょうから無理もないのかもしれません。

かなり高度な専門知識を、噛み砕くように解説されるので長くなるのでしょうけど、日本文化や伝統芸能にある程度の知識と関心を持っている人があの解説を聞くと驚くと思います。そうでない人にとっては、頭に入らないかもしれませんね。

以前、能に関する解説本や批評を読んだことがあるんですが、深見東州さんのような端的に、本質を得た解説したものはないんですよね。能楽というのは、日本人の専門家でも、的をえた解説ができる人は数少ないのかもしれません。

 

そして、いよいよ今回の能楽の演目ですが、まず「羽衣」の天女の舞がとても良かったですね。今回のは特別なバージョンのもののようで、天女の舞のところが、見た目に派手な舞ではありませんけど、とても優雅な気品を感じるものでした。バックの囃子方が序破急で盛り上がり、舞は省略の芸術で最小限の動きなので、そのコントラストが見ていて面白かったです。ライブストリーミングでは、天女の頭の飾り付けがキラキラ、ダイヤモンドのような輝きに見えていました。

「羽衣」とは逆に、「土蜘」では、後半の一人武者と土蜘の精の、動きの多い立会いが見ものでした。動きがあると言っても、そこまで激しくはありません。5年前の大薪能で見た金剛流の「土蜘」の時は、クモの糸を次々と連発して投げるなど、もっと激しい動きがあったかもしれません。宝生流の土蜘との違いも、流派の違いとして面白いですね。

流派による違いは、室町時代や江戸時代に、将軍家の前で演じる時にシテ方が間違ってしまったものが、その後も訂正されずに残って、その流派の流れになってしまったものもあるらしいです。間違いを認めると、将軍様からのお咎めがあるので、間違いではなく正しいことにするために、少しづづ変わってしまうようです。そんな流派の歴史を知ると、面白いなと思いました。

 

それから、最後に主催者代表の深見東州さんの仕舞がありました。「土蜘」のような鬼畜物を最後に演じる場合、おめでたい付祝言をみんなで謡うのが習わしになっているそうです。それで最後をめでたく締めくくるんですね。でも今回は、付祝言の代わりにめでたい仕舞でおしまいになりました。仕舞というのは、能の舞の主要な一部分を取り出して、能面をつけずに舞う短いものですが、最後に舞う、これでおしまいというところから仕舞と呼ぶようになったそうです。

そのおめでたい仕舞の中で、今回は宝生流にしかないという演目「草薙」を、深見東州さんが演じて終わりとなりました。とても貫禄のある響きのある声は、会場の後ろで聞いていてもよく通りました。また、舞にもどことなく風格を感じましたけどね。また、来年も東京大薪能を続けられるようなので、能楽の伝統と理解が広がっていくといいですね。

 

 

 

 

 

 

 

ちひろ

深見東州さんの存在を知ったのは、もう15年以上前になります。日本にこんな人もいるんだというのがその頃の印象でした。 それから数年、この人はただ者ではないとい...

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