2026年のハンダ・オペラ・オン・シドニー・ハーバーの詳細や評価などをまとめてみたいと思います。ハンダ・オペラ・オン・シドニー・ハーバーは、主催するオペラ・オーストラリアのチーフ・ペイトロンである深見東州さんが会長を務める世界芸術文化振興協会が、第1回から支援をしている、水上舞台芸術です。ニューサウスウェールズ州政府が、Destination NSWを通じて支援する、シドニーのさまざまなイベントの中でも中心的なものの一つです。

今回の公演の演目、概要ですけど、2022年に上演された、アンドリュー・ロイド=ウェバー作曲のミュージカル『オペラ座の怪人(The Phantom of the Opera)』が再演されました。ただし、再演と言っても、今回は特別な公演になっていました。
それは、「オペラ座の怪人」のロンドン初演40周年を祝う世界的な記念イベントの幕開けになったからです。演出は今回も、オーストラリアのミュージカル界の巨匠サイモン・フィリップスが担当しました。そして2022年上演に基づきつつも、40周年ということで再構成したそうです。

そして、美術・衣裳も、ガブリエラ・ティレソヴァが今回も担当しましたけど、舞台デザインは、パリのガルニエ宮(オペラ座)から発想を得たそうです。精巧な衣装を220着製作し、前回の見どころの一つでもあった、ゴンドラに乗るシーンでは、今回は7メートルものゴンドラが制作されました。100人に及ぶ工房スタッフが、のべ1万時間をかけて、彼のもとで舞台美術を制作したそうです。
それらが屋外の、シドニー湾上の広々とした特設ステージに、壮大に展開されました。前回同様、ものすごい大作になったことをうかがわせますね。

そんな素晴らしい舞台を見ようと、総観客数の記録が塗り替えられました。9万2千人超という過去最高になったそうです。前回2022年上演時も、過去最高の観客数となり大成功でしたけど、そこからさらに30%も増えていました。
それは、開演前からチケットの売れ行きが早く、7万枚が売れたため、4週間の公演日程を1週間追加し、5週間に延長したことや(3月27日~5月3日)、毎回の公演で特設座席を160席追加したためでした。もちろん全日程とも完売したそうです。
2022年は土砂降りの雨の中での公演もあり、それも話題になりましたね。中止になる日もありました。今回はおおむね天候に恵まれたことも、動員の追い風になったようですね。

それでは、実際の公演の様子ですけど、私は観たわけではありませんので、ネット上のレビューなどから拾ってみたいと思います。
まず、会場を観た印象ですけど、特設舞台に築かれた素晴らしい舞台装置だけでなく、背景や周囲の景観そのものが、舞台装置の一部になっていると書かれていました。また、長年通っている評論家は、これまでで最も驚異的な舞台セットだったと評していました。
そこに行くだけで、普通の劇場では味わえないような、気分の高揚を覚えるでしょうね。

ヒロインのクリスティーヌ・ダエを演じたのは、オーストラリアを代表するソプラノ歌手エイミー・マンフォードです。ロンドンのウエスト・エンドやオーストラリア国内ツアーでも、この役で世界的に高い評価を得ています。
彼女の歌唱については、経験に裏打ちされた気品と確かさが公演全体を通して中心となって支えていた、と評価されていました。ともすると今回は、巨大な舞台装置や花火に目移りし、人物の歌や感情表現が飲み込まれているとの指摘もあったようですが、彼女に関してはその存在が埋もれることはなく、それは彼女の力によるところが大きかったと書かれていました。とっても美しい方ですよね。

そして、ファントムを演じた22歳のジェイク・ライルは、クイーンズランド音楽院でクラシック声楽を学び、アンサンブルのオーディションを受けたところから、いきなりファントム役に抜擢されたそうです。開演前から話題になっていて、今回がプロのミュージカル初出演で、しかも初主演でした。
はじめは緊張が感じられたものの、次第に若く豊かな声が会場を捉えていき、観客は、完成された大スターを見るより、若い才能が一夜ごとにファントムへ成長していく瞬間に立ち会えたと書かれていました。また、従来のファントム役に見られる威圧感より、孤独と傷つきやすさを抱えた青年としての姿が見られたと評されていました。

見せ場の一つである、ファントムの地下の隠れ家のシーンでは、2人を乗せたゴンドラが水辺を進み、炎と煙が夜の港に浮かび上がったそうです。舞台の地下湖と、本物の海が一つに重なり、劇場のなかで見るのとはまったく違う光景だったという、驚きの声が多かったそうです。
仮面舞踏会のシーンでは、きらびやかな衣裳をまとった大勢の出演者が舞台を埋め尽くし、音楽、群舞、色彩、湾を渡る風が一体となり、物語の世界に引き込まれていく圧巻の世界感が展開されたようです。
第1幕の終わりには、音楽とともに炎が上がり、シドニー湾の夜空には花火が上がりました。

到着した瞬間、港に夕日が沈むなんて素晴らしい光景。景色も舞台美術も素晴らしく、衣装も素晴らしく、パフォーマンスも壮観。
本当に思い出に残る経験…素晴らしい衣装と素晴らしいパフォーマンス、などという観客の声がありました。
キャストやスタッフも書いておきます。
主な制作スタッフ
- 演出:サイモン・フィリップス
- 音楽監督・スーパーバイザー:ガイ・シンプソン
- 美術・衣裳:ガブリエラ・ティレソヴァ
- 振付・共同演出:シモーヌ・ソールト
- 照明:ニック・シュリーパー
- 音響:シェリー・リー
2026年版主要キャスト
| 役 | 出演者 | 特記 |
| ファントム | ジェイク・ライル | 当時22歳。クイーンズランド州グラッドストン出身で、プロのミュージカル初出演・初主演です |
| クリスティーヌ・ダーエ | エイミー・マンフォード | アンドレア・ボチェッリと共に世界ツアーを行い、最近ハリウッド・ボウルで米国デビューを果たしました |
| ラウル | ジャロッド・ドレイパー | 「ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル」でトゥールーズ=ロートレック役を世界で初めて演じた先住民族の俳優として歴史に名を残しました |
| カルロッタ | ジュゼッピーナ・グレック | パリ・オペラ座の プリマドンナ役。 |
| マダム・ジリー | デボラ・クリザック | 劇場の案内役 |
| ムッシュー・アンドレ | マーティン・クルーズ | 劇場支配人 |
| ムッシュー・フィルマン | ブレント・ヒル | 劇場支配人 |
| ウバルド・ピアンジ | ダニエル・ベル | オペラ座の首席テノール |
| メグ・ジリー | ジェイミー・ジョー・マスード | バレエ団員、マダム・ジリーの娘 |
そして、39人のオーストラリア人アンサンブルが出演しました。






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