男子ゴルフは全米オープンが始まりましたが、つい最近のゴルフ界のニュースに驚いた人も多かったと思います。
まさか米国男子ツアーと欧州男子ツアーとPIF(LIVゴルフを後援するサウジアラビアのファンド)が事業統合するとは、誰も思いもしませんでしたよね。
お互いに訴訟し泥沼でしたし、それも来年に向けて一段と激しくなるとメディアは予想していましたから。それが一転し、訴訟案件は全て解消になるそうですけどね。
深見東州さんが昨年のゴルフの記者会見の場で、LIVゴルフの登場で米国PGAがずいぶん謙虚になったようなことを話していたように思います。
それでも今年になって、米国男子ツアーはLIVに対抗するかのように、高額な試合を増やし、予選落ちのない試合を増やす改革を発表するなど、対抗心メラメラだったように見えました。
今年4月のマスターズでは、PGA対LIVゴルフの争いの場になったと報道するメディアもありましたし、ファンもそんな目で見てる人が多かった気がします。ただ、そのわりには、選手同士が仲良く練習したりプレーしているとの情報もありましたけどね。
急転直下で和解したということは、水面下では話が進んでいたのでしょうね。結局は米国男子ツアーが、これまでの主張を取り下げ、サウジアラビアのお金を受け入れて協力する道を選ぶ形になりました。
今年のLIVゴルフの1試合平均の賞金額は、米国男子ツアーの3倍と言われています。昨年、LIVゴルフで活躍したダスティン・ジョンソンは52億を稼ぎ、米国男子ツアー16年間で得た賞金の半分を、わずか1年の、それも数少ない試合で得ていました。
そんな巨額オイルマネーには抗えず、米国ツアーが呑み込まれたと思う人も多いでしょうね。米国男子ツアーのCEOは、手のひらを返した偽善者のように言われていますからね。心労も激しかったのでしょうか、つい先日病気療養で職務を離れたと報道されていました。
激しい批判は予想できたと思いますが、それでも統合する道を選んだのは、謙虚に世界のゴルフツアーの未来を思って苦渋の決断を受け入れたのかもしれませんけどね。
英国のR&Aは、PGAの決断を支持し喜んでいましたから。このままLIVゴルフへの敵対心から、ゴルフ界が混迷を深めるのではないかと、懸念していたのだろうと思います。
これから具体的にどう統合されていくのかについては、まだよくわからない部分が多いですけど、それぞれのツアーはそのまま継続されていくと思われます。そして選手のリクルートを禁止しましたが、実力のある選手はどのツアーに参加するかを、自由に選べるようになっていくのでしょう。
もちろん世界ランキングにも公平に反映され、あるべき順位に正されていくと思われます。これまでLIVEゴルフの試合はランキングに反映されませんでしたからね。
実際に統合が進んだ場合、日本ツアーやオーストラリアなど、欧米以外のツアーにどんな影響が出てくるのか、注目したいところですね。
オーストラリアや南アフリカのツアーは、以前から欧州ツアーとの共催が進んでいました。アジアンツアーも、LIVゴルフから多額の投資を受けるようになって、日本や世界からも強い選手が集まるなど、それぞれ提携を深めていました。
日本男子ツアーだけは出遅れ、ようやく今年の4月に、深見東州さんの尽力によって欧州ツアーとの共催試合が行われ、成功を収めたところです。米国ツアーとは、ZOZOチャンピオンシップがありますけど、条件面で圧倒的な米国ツアー本位のため、大半の日本男子選手にとっては、メリットが少ない現状ですよね。
日本男子ゴルフ界も、世界的なグローバル化の流れに取り残されず、一層ガラパゴス化することがないように、なんとかがんばってもらいたいですけどね。深見東州さんは、日本男子ゴルフ界の活性化のため、次の目標としてプレジデントカップの日本招致に動いているみたいですけどね。
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